先日、私は失敗をしてしまいました。モデラー間の暗黙の了解事項をうっかり踏み越えてしまったようで、相手の方には申し訳ない事をしました・・・・。良く言われる喩えで「足を踏んだ方は気づかなくても、踏まれた方は痛い」のです。今回の記事は「反省」の意味も込めて「模型」のマナーをもう一度振り返って見る事にしました。

<孤独を愛する訳ではないけれど>
私はあまり人付き合いが得意ではありません。仕事はいわゆる「サービス業」です。モノを作ったり売ったりする仕事では無く「喋ってナンボ」の仕事ですので、仕方なくお話をします。ほぼ毎日途切れることなくお客さんと会ってお話をしています。
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人付き合いが苦手な事を悟られまいと口数が多くなるためか、顧客の中には私の事を「よくしゃべる人だ」「話好き」と誤解する方も多いのですが 、本当は喋りたくなんてありません。話題が途切れ、沈黙で関係がギクシャクする事が怖いのです。
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仕事ではなんとか取り繕って、表面的には年齢相応の人間関係を保っているものの・・・趣味の模型については無理せずマイペースを通しているため、仲間は出来ず「ボッチ」です。唯一加入している組織がありますが・・・・集まるのは年に1回の「超ユルイ」サークル。(笑)先ずはそのサークルの「ルール」から振り返ります。


<サークルのお約束>
基本的に「何でもアリ」のサークルですが、1つだけ約束事があります。それは・・・
「絶対に他人の模型を批判・否定的評論をしないこと」 これはリアル空間・ネット空間共通の厳守事項です。
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「戦車」「船」「飛行機」「車」の模型はいずれも「実物」が存在します。「縮尺模型」ですから、製作の基本は「いかに実物に近い物を作れるか」になります。
第三者的な目で見たら「ここ、違ってるじゃん!」という間違い探しが出来るのです。
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「違っている部分を教えてあげる」という行為は、本来的には悪い事では無いハズですが、指摘を受けた製作者は「教えてくれてありがとう」という気持ちにはなりません。
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製作者の本音は「そんな事分かってるけど、こういう風にしか作れなかったんだよ!(怒)」です。
模型仲間同士でこれを言い合えば・・・行きつく先は「ののしり合い大会」です。だから「厳禁」事項なのです。
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実物と違っていても良いのです。遊びで作った模型なのですから、自身が楽しむ事が重要です。


<FaceBookグループの禁止事項>
FaceBookの模型グループにも参加しています。こちらには「禁止事項」が幾つもあるのですが、その中の1つに「求められていないのに製作のアドバイスをコメント投稿してはいけない」というモノがあります。禁止理由は上記と同じです。
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製作者は、製作技術向上を求めて作品を投稿している訳では無いのです。模型が完成して嬉しくて誰かに見せたいだけなのです。そこに「もっとこうしたら良くなるよ」とアドバイスをもらっても、あまり嬉しくはありません。場合によっては「分かっているけど、出来ない事情があるんだよ!(怒)」と思うかもしれません。「製作アドバイス」をすること自体が基本的に上から目線だという事を認識しなければなりません。
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ただし「コレ、どうしたら良いの?誰か教えて!」というSOS系の投稿に対しては、グループの皆さんが親切にアドバイスしています。
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<戦車模型展示会の投票ルール>
年に1回だけ「戦車模型」の展示会にも参加しています。コンペ形式で優秀賞や入賞を決めるのですが「ルール」があって、「投票やコメントを出来るのは、自分も作品を展示した参加者のみ」です。

つまり、自分で作品を作り、それを皆の前に晒した者だけに「選考権」があるのです。自分では作らない人、あるいは作っても人目に晒さない人に「物言う権利は与えない」というルールです。
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「戦車」「飛行機」「船」「自動車」等のいわゆる「スケールモデル」では、「素人評論家」が多いのです。閲覧や言論は万人対して自由ですが、自分では満足に作品を作れない人が他人の作品を批判・評論しても、それは滑稽なお話です。自分では出来ない事、経験がない事を他人にアドバイスするというのは「自分の脳内妄想を他人に押し付ける行為」でしかありません。
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先ずは自分の作品を提示しましょう、その上で意見や評論があるのなら聞きますよというルール。とても合理的で私は良いと思います。
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私は他人様のBlogにコメントを書く時、必ず自分のBlogへのリンクを張ります。自分のBlogを見てほしいという宣伝の意味もありますが、自分の作品(たとえ下手でも)を提示した上でお話がしたいという意図からリンクを張るのです。(TwitterやAmebloは自動でリンクが張られますね)どんな模型を作る人なのか、どの位の技術水準の人なのか分からなければ、誠意あるお話は出来ません。

<後悔>

プラモデルでは十分に承知しているマナーだったはずなのに、先日ある方のBlog記事(ドール系です)にヘッドメイクの作業方法について幾つかアドバイスめいたコメントをしてしまいました。
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「アドバイスします」という書き方ではなく、「私はこうしています。ご参考になる点があれば幸いです・・・」という書き方をしたのですが・・・、Blog主さんはやっぱり良い気分はしませんよね。私としては、自分と同じ事をしている「ご同輩」を見つけ、嬉しくてつい書き込んでしまったのですが・・・・結果は逆効果でした。案の定、以後の交流は途絶えました。

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ドールだって「模型」ですからCustomをする者同士のルールやマナーはプラモデルに準ずるべきでした。反省しきりですが、覆水盆に返らずの喩えどおり、その失敗は取り返せません。

<マウント取ってどうするの?>
上から目線という話のついでに、「ドール」趣味でも「マウントを取る(取られた)」話をTwitter等で時々目にしますが・・・・私には意味のある行為とは思えません。いかなる言い訳を用意しても、男性のドール趣味って基本的にキモイですよ。マウント取ってどうするのだろう?恥ずかしいだけです。

女性のお人形遊びならば「正常人格」の範囲内だと思いますが、オッサンはダメでしょ。(笑)
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もちろん私も「キモヲタ」です・・・だからこそ人目を憚ってひっそり楽しんでいるのです。(泣)

ネット上のお付き合いであっても、人付き合いは難しいですね。遊びだからと気を許すと失敗します・・・「気を引き締めないと」なんて思う反面、そういう人間関係は疲れるだけで無理して保ってもメリットは無いのかもしれません。

(おしまい)


(注)この記事に掲載した写真について
ビジネスシーンの写真はフリー画像、プラモデル・フィギュア作品は全て私の過去作品、人形は全て100均人形に私が手を加えたものです。(衣装は衣装作家さんの作品)