今回は「読書感想文」です。模型やドールを目的でご来訪下さった方は適当にスルーしてください。
・・・なんて言ったら、全員スルー・・・ですね。(笑)

<花粉症>
花粉症。昔はそんな病気(アレルギー?)は無かったと思うのですが、最近はコレに悩まされる方が多い様ですね。私も御多分に漏れず患っています。ただし、皆さんとは1か月位ズレるのです。おそらく「スギ花粉」には反応せず「ヒノキ」?あるいは「ブタクサ」?(←ブタクサって今咲かないか・・・)
ハルコナ6
そんな中、古本屋でこんな本を見つけて買ってみました。「花粉症」を題材にしたライトノベルです。
「ハルコナ」 秋田禎信 著  新潮NX文庫 
ハルコナ7

<現実系ラノベ>
いわゆる「ラノベ」という分野の小説です。私はラノベもよく読みます。ただし、魔法や異世界が登場するアニメSF系ラノベではなく、現実世界を舞台に少しだけ変わった力が働いて・・・系のラノベです。その方が物語に入り込みやすいので好みです。
ハルコナ8
この表紙のイラスト気に入りました。これ見て買ったみたいな所もありますが・・・(笑)
ハルコナ2
萌葱さん・・・表紙絵に負けそうです。(汗)

<特殊体質者>
本書の主人公「ハルコ」は特殊体質者です。彼女の居る半径数キロメートル内は「花粉症」が無効化されるのです。こういう人が地域に1名居ると便利ですね。(もちろん物語内の設定に過ぎません)
ハルコナ1
しかし、彼女自身の体は「花粉症耐性」が無く、万一花粉を体内に取り組むと重症化して生命維持に重大な影響を受けてしまいます。そのため、彼女は宇宙服(又は潜水服)のような防護服を着て過ごします。
物語の主人公は「ハルコ」の幼馴染で隣家に住む高校生の男の子。彼女の公式な「介助者」です。防護服で動きが不自由な彼女に付き添い。お世話をする係です。
ハルコナ16


<ミイラ取りがミイラになる話か?>
「特殊体質者」には「カイゼン」という組織があらゆるサポートをしているのですが、反面その影響で「特殊体質者」の保護を優先するため、一般の人たちは一部生活に不自由を押し付けられるケースもあります。大した不自由では無いのですがやはり「不満を持つ人」は世の中に一定数いる訳で、その人たちが「反対運動」を起こします。「ハルコ」は運悪く反対運動の標的にされてしまいます。
ハルコナ9
「反対運動派」の人々は暴徒化して主人公と「ハルコ」が通う学校に押し寄せ、「反対」を大声で叫び・・・とうとう暴力行為にまで及びます。
これに対し「カイゼン」や学校の友人は連携して「ハルコ」を守ろうとします。
ですが・・・友人たちは「ハルコを守る」行為が次第に大胆になり「反対派」と同様過激な集団になっていきます。
ハルコナ11
過激化した友人達に巻き込まれないよう、主人公は信頼していた友人たちとの関係を絶つ事を決意し、一人「中立」な立場に立って「ハルコ」を守る事を決意し・・・・という感じのお話なのです
ハルコナ15

<物語に流れるテーマ>
正直なところ私には「物語の根底に流れる主題」のような物が読み取れませんでした。主人公は「ハルコ」に好意を寄せているモノの、恋愛小説というような心の駆け引きや変遷はなく、「対花粉特殊体質」というSF要素はあるものの、あくまで「設定」の話であり、それ自体が物語の起承転結にはあまり影響していない・・・・
ハルコナ12
ラストシーンも盛り上がりに欠けます。
結局、著者は何を表現したかったのだろう?

<テーマの考察>
人にはそれぞれ「自我」があり、その主張は客観的視点で見ると「我儘」に過ぎないけれど、そういう人は世の中には一定数居て、まとまって主張し始めるとそれなりの力を持つ。
一方、「常識的な人」も、理不尽な主張や行為に対応するうちに、自己主張や排他的思考が強まり、自覚しないうちにいつの間にか新たな「排他的で攻撃的な集団」と化す。結局人間とはこういうモノである・・・と言いたいのかナ?
ハルコナ13

御免なさい、今回は特に基本テーマを上手く読み取れませんでした。
ハルコナ3
それじゃ、何で記事投稿したのかって?

この綺麗な表紙イラストをBlogに載せたかったんですよ!(笑)
それに「花粉の話」なら今(→私は1か月遅れて今なんです!)しかないでしょ!

最後までおつきあいくださった方、御免なさい。

(おしまい)